その男性の名前はビリー。カンザスシティーでホームレスをしていた男性です。
ビリーさんは道にカップを置き、そこで道行く人からの寄付を集めて生活していました。するとそこに1人の女性が通りかかります。この女性の名前はサラ。
サラさんはビリーさんに小銭入れの中身を全て寄付しました。
そして家に帰った時に自分が大きな過ちを犯してしまったことに気がつきます。
婚約指輪
サラさんは小銭入れの中身をすべてカップの中に入れたのですが、そこにはなんと婚約指輪も入っていたのです。サラさんはいつも婚約指輪を左手の薬指にはめていました。しかし、その時は手に発疹ができてしまったために指輪は小銭入れの中に入れていたのです。
その婚約指輪はビリーさんの手元に渡ってしまいました。状況は絶望的です。サラさんはすぐにその場所へ向かいましたが、ビリーさんの姿はありません。もう二度と指輪は返ってこないのでしょうか。
一方そのころビリーさんはその指輪を持って、宝石商を訪れていました。
天使と悪魔
ビリーさんはその日にもらったお金を確認していると、ダイヤの指輪が入っていることに気がつきます。いったいこの指輪を売ったらいくらになるのだろうか。宝石商へと足を運んで尋ねると、その指輪の買取価格は約4,000ドル。日本円にすると、約40万円以上の値打ちがつきました。
ビリーさんはその時に、「これだけのお金があれば人生をやり直すことができるかもしれない」。そんな考えも浮かんだそうです。
天使がささやきます。「それは寄付をしてくれたのでは無くて、きっと誤って入れてしまった大切な指輪。それを売るなんていけません。」
悪魔がささやきます。「そんなの気にするな。こんな金をみすみす見逃すなんてありえない!」
決断
ビリーさんは決断しました。
ビリーさんはその指輪を売らなかったのです。ビリーさんの正直な心が誘惑を絶ったのです。
次の日にまたいつもの場所でビリーさんが座っていると、諦めきれずにもう一度探しに来たサラさんがやってきます。
「この指輪は大切なものなんでしょ?」
ビリーさんはそう言うと、サラさんに指輪を返しました。するとここからビリーさんも予想だにしなかった展開が待ち受けていました。