タンさんの真の目的は「中絶される前の命をつなぐ」ということにありました。
タンさんが15年間休まずに10000体を優に超える遺体を埋葬し続けた
「墓場」はただ単に彼らに対する尊重を表すための墓地としてではなく、
中絶を検討している女性たちが思いとどまる場だったのです。
そしてタンさんの想いは現実のものとなりました。
中絶を考えている母親が彼のもとを訪れるようになったのです。
彼にとってこれほど嬉しいことはありませんでした。
その結果、彼は墓守でありながら養護施設の運営者となったのでした。
養護施設では育てる余裕のない母親が一時的に子供を施設に預け、
余裕ができたらそこから子供を引き取るという仕組みでした。
長年の夢を叶えたタンさん。
彼は100人を超える子供の命を救ったのでした。
彼は
「死ぬまでこれを続けていくつもりです」
「自分の子たちが、私の死後も続けてくれることを願っています」
と語っていました。
自分の子供でも愛情をしっかりと注げない親もいる中、
タンさんは他人の子供に対してもこんなにも愛情を注ぐことができる。
本当に立派で何よりもその行動力には脱帽するばかりです。
彼の「子たち」も彼のように偉大な人物に育ってくれることでしょう。