18歳の回天特攻隊員の遺書 死は怖くないという彼が怖かったものとは、、、
戦争が終わってからもう70年以上もの月日が流れました。戦争を体験したという人はどんどん少なくなってきています。
しかし、私たちは戦争の残酷さを忘れてはいけません。戦争はどれだけの尊い命を奪ってきたのか。この手紙はそのことを思い起こさせるでしょう。
遺書
これは、18歳の回天特攻隊員の遺書です。
回天特攻隊とは、人間魚雷である「回天」に乗って敵艦を攻撃した特攻隊のことです。その命令が下れば、特攻隊員は死ぬことになります。この特攻隊員は、その任務の直前にこの遺書を書きました。母親に宛てた手紙という形になっています。
この遺書の中では、死ぬことは怖くないと書いてあります。しかし、ひとつだけ怖いことがあるそうです。
その遺書をご覧ください。
「18歳の回天特攻隊員の遺書」
お母さん、私は後3時間で祖国のために散っていきます。
胸は日本晴れ。
本当ですよお母さん。少しも怖くない。
しかしね、時間があったので考えてみましたら、少し寂しくなってきました。
それは、今日私が戦死した通知が届く。
お父さんは男だからわかっていただけると思います。
が、お母さん。お母さんは女だから、優しいから、涙が出るのでありませんか。
弟や妹たちも兄ちゃんが死んだといって寂しく思うでしょうね。
お母さん。
こんなことを考えてみましたら、私も人の子。やはり寂しい。
しかしお母さん。
考えて見てください。今日私が特攻隊で行かなければどうなると思いますか。
戦争はこの日本本土まで迫って、
この世の中で一番好きだった母さんが死なれるから私が行くのですよ。
母さん。
今日私が特攻隊で行かなければ、年をとられたお父さんまで、銃をとるようになりますよ。
だからね。お母さん。
今日私が戦死したからといってどうか涙だけは耐えてくださいね。
でもやっぱりだめだろうな。お母さんは優しい人だったから。
お母さん、私はどんな敵だって怖くはありません。
私が一番怖いのは、母さんの涙です。
自分の死を覚悟している彼らは屈託のない笑顔で写真に写っています。私たちは尊い命の犠牲の上で平和を享受していることを忘れてはいけませんね。
あなたはこの遺書を見て何を感じたでしょうか。