【カンタン解説!】なぜクロネコヤマトは値上げに踏み切ったの?―買ったモノが届かない未来がくる?

クロネコは“苦労ねこ”(;´・ω・)?

ここ最近、ニュースや新聞ではクロネコヤマトことヤマト運輸の問題が大きく取り上げられていますよね。他人事だよ~という人も、いやいや大変なことだよ!という人もいることでしょう。

事の発端は、Amazonや楽天、ZOZOTOWNといった通販サイトを利用する人がネットの普及とともに爆発的に増えたことで、配達する人(ドライバーさん)の負担が大きくなって配達自体にいよいよ限界が近づいているということでした。

みなさんもAmazonや楽天などを利用したことは、一度はあると思います。

当然ですが、家まで届けてくれる配達員がいないと、いつまでたっても注文したものは届くはずがありません。
それが嗜好品(平たく言えば、好きで頼んでいるモノですね)であれば、さほど困らないですが、
例えば、身体が不自由な人が飲料水を頼む、となったら話は全く別です。
届かなければ、命の危険さえ考えなくてはいけなくなります


(出典 Twitter)

しかし、そんなあまり考えたくない未来がもうそこまで来ているかもしれません。

そしたら、荷物や商品の受け取り手である私たちはどうなってしまうのでしょうか(´・ω・`)!?

今回は、テレビなどでひっきりなしに取りざたされている内容をカンタンにおさらいしておきたいと思います!

いま、何が起きているの?(問題点)

①Amazonの荷物の増加
通販を利用する人が爆発的に多くなったため、全体としての荷物の個数自体が多くなりました。

②配達時間の延長
Amazonの荷物が多くなったためにドライバーさんの配達時間が延びてしまうことに…
したがって、ヤマト運輸だけでなく配達業界全体の労働時間が以前より延びています。

③再配達の多さ
通販サイト利用者が多くなったために、必然的に不在にしている人の数も多くなり、
もう一度届けてほしい(再配達)と依頼する人もしたがって多くなってしまいました…

④労働時間とお給料
労働時間はAmazonの件で述べた通り(①、②)ですが、
お給料については、以前は配達業界で働くドライバーは高給取りの花形で、人気の職業でした。
働けば働くほど稼げると言われてきましたが、国が主導する規制緩和によって業界に参入する垣根が低くなり、様々な企業が入ってきました。
様々な企業が入ってくれば、それほど価格競争は激しくなりますよね。
次第に「どれだけ安く運べるか」の競争になっていきました。そのため、少しずつ、そして確実に従業員のお給料も低くなっていったのです。

さて、ひととおり問題点を説明したので、ここからはそれに対応する形で解決策をまとめてみました。
あわせて読んでみてください。

これから何が変わっていくの?(解決策)

⇒①Amazonからの荷受け(荷物を預かること)を抑える&配送料の値上げ
荷物の量を抑制することでドライバーさんの負担はいくらか減ると見ているようです。
また、彼らの負担を減らすもう一つのやり方として配送料を上げること(値上げ)が挙げられます。
しかし、そのためには荷主(荷物を出す人)であるAmazonと交渉しなければなりません
交渉に関しては、するのか、しないのか…これからの話になります。

⇒②配達時間帯の変更
クロネコヤマトには配達時間帯区分が6つありますが、ご存知でしょうか?
時間の早い順から
「午前中」「12~14時」「14~16時」「16~18時」「18~20時」「20~21時」
となっています。しかし、この6区分を6月から5区分に削減するとヤマト運輸は最近発表しました。
具体的には「12~14時」と「20~21時」の廃止「19~21時」の新設です。
お昼ご飯の休憩すら取れていなかったり、夜遅くの労働を改めるための対応なんだそうです。

⇒③宅配ロッカーの設置&再配達の有料化
「同じ家に二度以上行くこと」は配達する側からすれば、ロスでしかありません。
そのため、最近タワーマンションなどでも採用されている宅配ロッカーの設置を各家庭や駅といった要所で急ぐ考えがあるようです。そうすれば、そこに荷物を配達しておけば、お客さん側は好きな時間帯に荷物を取れるという仕掛けです。
また、再配達は今まで無料でやってきましたが、それを有料化する可能性も声として上がっていますね。
ただ、両方とも実施にはなかなか高い壁やデメリットもあるため、難しいかもしれません。

⇒④業界全体としての改革が必要!
配達業界の大手はヤマト運輸、佐川急便、日本郵政の3社です。
寡占業界(少ない企業が大きくシェアを取っているような業界のこと)であるために、本来は価格競争が起きにくいですが、あまりにも配送料が安いことでドライバーさんを含め従業員に払うお給料が労働との対価として見合うものではないことが指摘されています。
荷主(Amazonや楽天など荷物を出す人)との値上げ交渉でどうなるかが注目されます。
また、荷主やお客さんだけでなく働いている人のほうを向くことも会社には求められそうです。


(出典 Twitter)

誰かが犠牲になって成り立つ「サービス」は…

今回はクロネコヤマトを中心とした、配達業界が限界を迎えている事の発端・問題点・解決策をまとめてみました。
Amazonを利用する人ならわかると思いますが、「送料無料」というのは確かに魅力です。
しかしモノ(荷物)が動いている時点で、動いている人のお給料やトラックのガソリン代だってもちろん費用としてかかっています。それを果たして誰が負担しているのかと言えば、クロネコヤマトをはじめとした配送会社です。

ネット通販で生活が便利なったことは歓迎したいですが、
みんながゆとりをもって働いたり、遊んだり、休んだりすることのほうが大事なことのように思えます。
誰かが犠牲になって成り立つ「サービス」は、果たして「サービス」と言えるのでしょうか。

みなさんのご意見、お待ちしております!

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