産まれてきた子供の命は74分間 しかしその子の命は英国史に残る快挙を成し遂げた!
人間が一生にできることはどれぐらいのことでしょうか?
社会に貢献することがその人の価値全てではありませんが、
それでもやはり快挙を成し遂げた人というのは称賛され憧れの的になることが多いように思えます。
イギリスに、歴史に残る偉業を残した赤ちゃんがいました。
しかもその赤ちゃんの生きていた時間はたったの74分間。
74分間でその子は何をしたのか?
そこには感動的なストーリーがありました。
イギリスニューマーケット在住のエマ・リーさん(32)とアンドリュー・リーさん(51)は兼ねてから
子供を作りたい願望がありました。
長年の夢だったこともあり2人は決心しました。
そして妻が妊娠したことが判明したとき2人は手を取り合って喜んだそうです。
しかしそこには一つの問題がありました。
医師からの報告は明らかに両親たちにとって幸せな報告ではありませんでした。
お腹の中にいる子供は双子だったそうで、そのうちの片方に問題があるとのことでした。
両親はこの双子たちにそれぞれ、「ホープ」と「ジョシュ」という名前を付けていました。
妊娠が発覚してから13週が経過したころ医師たちが新たな決断を下しました。
「ホープ」と「ジョシュ」のうち生き残れる確率があるのはジョシュだけという診断結果が出てしまったのです。
ホープには生きていくうえで絶対に不可欠な脳が欠如していたんです。
これは無脳症と呼ばれる難病で、医師たちの判断では出産までは生きられないだろうという見込みでした。
中絶・・・。頭をよぎる嫌な言葉。
長年の夢だった子供を一人でも死なせてしまいたくない。
そう思った両親は思い切った決断をすることになるのでした。
2人はホープ、ジョシュともに出産をすることを決めました。
どんな状況になっても我が愛しの子供であることに変わりはない。
そんな思いが突き動かした決断でした。
そして運命の出産の時。
自分のお腹の中から出てきた最愛の子たちを許す限りの愛情で抱きしめました。
後にエマさんはこの瞬間が最高に感動的な瞬間だったと話していました。
自らの指にしがみついてきたホープ君。
小さな命の鼓動が感じられたのでしょうか、この瞬間にエマさんは泣き出してしまったそうです。
そして74分間というごくわずかな時間を母親の腕の中で過ごして逝きました。
この妊娠の期間中に子供と同じ「無脳症」に苦しんで亡くなったテディー・ホールストン君の話を聞いた
両親は彼の姿に感銘を受けて子供にホープという名前を付けました。
テディー君は100分間という人生を終えたのち、臓器提供者になったそうで、
それを聞いたエマとアンドリューは自身の子供にもそれを望んだのでした。
そうすることで自分たちの子供が苦しんでいる命を救えるとともに誰かの中で
形は変われど生き続けていくのだと考えたのでした。
父親のアンドリューさんはこう語っています。
「ホープがこの世で生きたのはわずか74分でしたが、人が一生のうちでできることよりもはるかに大切なことを短い命の間に実現したのだと思います。私たちにとって、娘はヒーローです。私は生きている限りホープのことを忘れることはないでしょう」
いかに両親の彼女に対する愛が深いかが分かった言葉だと思いました。
こうしてホープは臓器提供者となり違う人の体の中で生きていくことになりました。
アンドリューさんの言う通り、彼女は人生の中で本当に大きな功績を残しました。
英国史上最年少での臓器提供者にもなりました。
両親の決断は簡単なものではなかったことでしょう。
苦渋の末の決断が一人の命を救ったかもしれないということは間違いありません。
この感動的な家族のストーリーが1人でも多くの人に広がればいいなと思うばかりです。