タイの「象乗り」には衝撃の事実が・・・ 「象乗り」として働かされた二匹の象の絆に心打たれます

皆さんは観光地と言ったらどこを思い浮かべますか?
華やかな街や景色が多いヨーロッパ地方でしょうか?
それとも世界の中心都市のアメリカ?
雄大な自然と急激な文化の発展が同時に見れるアジア?
人それぞれ好みは分かれるでしょう。

アジアの観光スポットとして人気の高いタイ。
そこではたくさんの美味しい料理と多くの観光スポットが来客者を出迎えてくれます。
水上に浮かぶマーケットでの買い物などは他のどの国でもなかなか体験できるものではなく
「非日常」を満喫することが出来ます。

そしてタイのもう一つの楽しみと言えば「象に乗ること」なんです。
自分で経験したことがあるという方はそう多くはいらっしゃらないかと思いますが
テレビや旅行雑誌などで見たことがあるという方は多いのではないでしょうか?
しかしこの象たちには耳を塞ぎたくなるような裏事情がありました。

出典 Facebook

象と言えば穏やかそうなイメージがあるかもしれませんが、
野生の象は実は意外と獰猛な部分も持ち合わせているんです。
そんな象たちに人間を乗せることは至難の業と言えるでしょう。

ではどうやってそんな象たちを人間が乗るようにしているのでしょうか?

タイには「象使い」と呼ばれる人たちがいます。
そんな人たちが象に対してやっている調教は、
子どもの象と親の象を無理やり引き離しロープで縛りつけ、人間に逆らわなくなるまで棒やフックなどで打ち続けるというものです。
調教という名の「虐待」が繰り広げられていたんです。

出典 Facebook

つまり観光客のほとんどが乗っていたのは象使いによって虐待された象だったのです。
そして象乗りとして虐待された象たちは満足な食事をとることもできずに衰弱死するか、
運よく途中で保護団体に保護されるかの二択しかないのでした。

出典 Facebook

運よくBoon Lott’s Elephant Sanctuary (BLES)という保護団体に保護された
サオノイという一頭の象がいました。
サオノイは長い間「象乗り」の象として働かされ体中を痛めていました。
しかし保護センターに行くと同じ「象乗り」であったブーンソンと仲良くなりました。
何をするときも一緒だった二頭に保護職員たちも安堵の表情を見せたそうです。

しかし長年の虐待は体に蓄積されておりサオノイの体はもう限界を迎えていました。
そんなサオノイに対して親友であったブーンソンはある行動に出ました。

出典 Facebook

なんとブーンソンは自分の長い鼻でサオノイを労わるかのように体中を撫でまわしたのでした。
人間にも当てはまるその行為には職員の目にも涙が。
そしてその行動の後、不可思議なことが起きたのでした。

倒れていたサオノイはなんと立ち上がってブーンソンの想いに答えたのでした。
本当に願いが通じたのかと思った職員たちは驚きを隠せなかったといいます。

残念なことにその翌日サオノイはこの世を去りました。
それでもこの一連の騒動に感動を覚えた職員たちはその一部始終と思いのたけをフェイスブックに投稿しました。

「これまで、私たちは年老いた象たちを保護し、
自由と尊厳を取り戻せるように懸命に努力して来ました。
観光業で無理やり働かされている象たちの植え付けられたトラウマから解放されるように、そして彼らの本来の強さを取り戻せるように彼らと過ごす1日1日を大切にしてきました。

多くの象を保護するほど、彼らの性格が一頭一頭違うことにも気付かされます。
でも、どの象を見ても、彼らが乗り越えて来た長い年月を思うと
私はいつも感情的にならずにはいられません。

どうかこれからの余生の日々が少しでも長く続くようにといつも願っていますが、
時にそれは叶うことはないのだということを今回、知りました。
今、私の胸は痛みと悲しみで張り裂けそうです。

繊細でか弱かったサオノイを助けるために精一杯のことを私たちはしました。
高齢の美しく聡明な魂を持つサオノイをめいいっぱい愛し、ケアしてきました。
でも、彼女は旅立ってしまったのです。サオノイの痩せ細った体からは、
過去に彼女が絶えて来た恐ろしいほどの虐待が垣間見れるようでした。
きっと耳を塞ぎたくなるほどの辛い経験をしてきたのでしょう。
彼女の目はいつもがらんどうのように暗く、疲れた陰が見えました。

でもサオノイは、とても温かく優しく可愛い象でした。
彼女を見ているとどんな苦境に生きても、
希望を捨てるべきではないという姿勢を学ぶこともできました。
最後まで頑張って生きたサオノイを私たちは誇りに思います。

サオノイのために私たちはスタッフ全員で美しい葬儀をしました。
今、サオノイはようやく自由になれたのです。
私たちは決して彼女を忘れることはないでしょう。
本当の自由を手に入れたサオノイが天国で安らかに過ごせますように。」

感動的なストーリーではありましたが、象の虐待が日常的に蔓延していることには怒りを覚えました。
自分たちの金儲けの「道具」として象を使っていることは許しがたい事実です。
一刻も早くこのような状況が改善され、象と人間が共存できる社会を目指していってほしいです。

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