「私だけがそのような恩恵にあずかるわけにはいきません」 3.11で津波に流された愛車の受け取りを拒否した男性の想いに涙が止まらない・・

日本の歴史を動かしたと言っても過言ではない東日本大震災。
既に5年の時を経ても未だにその影響は至る所に出ています。
東北地方を中心とした大地震は多数の死者を出し、多くの物的損害ももたらしました。
本震もさることながら地震の後に来た津波が東北に壊滅的なダメージをもたらしました。

出典 Pinterest

その時の地震で大量のものが海へ放り出されました。
常識では考えられないぐらいの量の物が海を彷徨っていたと言います。
宮城県在住の男性もあの大地震で3人の家族ととても大切にしていた愛車の「ハーレーダビッドソン」を失いました。
その男性の名前は横山育生さん。
保管していたコンテナごと津波に持っていかれた横山さん。
もう返って来る事はないと思っていた彼の愛車がカナダで発見されたことが
今大きな話題を呼んでいます。

カナダの北部に位置している場所で見つかったという横山さんのバイク。
その距離は日本からおよそ6000㎞以上も離れています。
この場所はグレハム島という小さな島で、そこに住むピーター・マイクさんが横山さんのバイクを発見したそうです。

ナンバーから横山さんの所持していたものであることが判明すると、
ハーレーダビッドソン本社から直接横山さんに連絡があったそうです。
そしてそこでの本社と横山さんのやり取りに多くの人が心を揺さぶられました。。。

以下本社と横山さんのやり取りです。

「あなた(横山さん)のバイクがカナダで発見されました。修理してお送りしますよ」

このような内容の連絡がハーレーの本社から届いたそうです。
この真摯な対応に意外にも横山さんは次のように返答しました。

「非常に有り難い申し出ですが、お断りします。私の周りの人たちも、東日本大震災とその後の津波で多くの大切な物や人を失いました。私だけがそのような恩恵にあずかるわけにはいきません」

更に続けてこう伝えました。

「ミルウォーキーにあるハーレーダビッドソンの博物館で、津波の犠牲者に捧げていただければ幸いです」

この返答からは横山さんの人徳の高さが窺えます。
死を覚悟するほどの経験をした横山さん。
それに加えて大切な家族や時間とお金をつぎ込んでいた趣味まで失ってしまったのに
他の被害者や悲惨な状況を知らない人たちの為に自分の事を後回しにするその想いには
本当に多くの人が称賛と敬意の念を送りました。

横山さんの望み通り彼の「愛車」は博物館で展示されています。
しかもいまだに海水による腐食が進んでいるらしくそれは震災の悲惨さを
伝えるためにあえて処理せずにありのまま展示しているそうです。

この事を知って1人でも多くの人が震災の被害の正しい状況を
理解してもらえればと願います。

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