それぞれの理由で人間たちに捨てられた犬たちを待ち受ける悲しい現実をあなたは知っていますか?
鉄格子の間から鼻先だけを出して鳴いてみせる老犬。この子は病気でもう長くないから見ているのも辛いといって、飼い主の老夫婦によって高知県にある中村小動物管理センターに持ち込まれたのです。
それから3日後のことですが、毛布などを持ち込むために再び飼い主の夫婦がセンターを訪れました。
しかし、センターを訪れた2人を待っていたのは、悲しい現実だったのです。
「見つけてくれてありがとう!」と題されたこの動画は、この老犬の視点から描かれたストーリーです。
夫婦の愛犬はセンターに連れてこられてから2日目の朝を待たずして、寒さと冷たさの中でひとり檻で亡くなっていたのでした。老夫婦が最後の最後で愛犬を手放してしまった詳細や事情は分かりませんが、大好きな主人を待っていたのだと思うと、なんともやるせない気持ちになってしまいます。戻ってくるくらいなら、どうして最期を看取ってやることができなかったのか……
2013年の動物愛護管理法の改正によって、ペットの最期まで飼い主が世話をする責任があると明記され、自治体は受け取り拒否ができるようになりました。ただ、全国の動物のセンターや保健所には「飼えなくなってしまった」ペットを持ち込む人たちは後をたちません。
この子のように寒さに震えながら誰かを待ち続けているペットたちが全国には何万匹もいます。そして、その大半が殺処分といった死に直面しています。しかしながら、ペットを飼う人口は年々増えており、その理由や種類もいろいろです。また、それと同時に最期まで責任をもって飼えなくなった結果、多くの小さくて尊い命が奪われているのです。
犬が飼い主ほど一緒にいたい相手はいません。そんな忠犬たちに「見つけてくれてありがとう」と死んでしまった後に思わせてはなりません。
1人でも多くの犬がこのような悲しい最期を遂げずに済むことを筆者も願っています。