仕事帰りに立ち寄ったマクドナルドのレジで、私の前に並んでいたのは、車イスに乗った四肢麻痺の男性。私には四肢麻痺の叔父がいるので、1人で並ぶ彼のことがなんとなく気になっていました。
順番が回ってきた男性は、一生懸命に店員さんに何かを伝えているのですが、私も店員さんもなかなかうまく聞き取ってあげられません。ようやく理解できたのは、「手伝って欲しい」という意思でした。
とは言え私も店員さんも、男性が一体どのような助けを求めているのか見当もつきません。そのうえ、この時はただでさえ忙しい夕方の時間帯、しかもシカゴの繁華街です。きっと店員さんも、男性からの申し出を断るものと思っていました。
ところが私の予想に反して、店員さんはレジを閉め、手を洗い、手袋までしてカウンターの中から出てきたのです。
私は、その2人への興味を抑えることができませんでした。同じ障がいを持つ叔父がいる立場としても。
そして店員さんは、その男性の横で食べ物を小さく切り、食事を手伝い始めたのです。
混雑時間だったので、パッとバックヤードで処理を済ませて、それを戻すという対応でも良かったように思います。しかし、その店員さんは、準備万端で男性の隣まで出てきて、ゆっくりと向き合った対応をしたのです。
その光景はとても温かくて、思わず「ありがとう」と言いたくなるほどの感動がこみ上げてきました。
忙しい時間帯の対応はどうしても雑になったりするのが人間の性です。
それでもこのように一人一人のお客さんに対してきちんと対応するというのは店員さんの鑑ですよね。
そして一人の社会人として立派な行動といえますよね。
こうやって一人の従業員の何気ない対応が企業の評価を変えることもあるのです。
改めて自覚と責任を持って働くことの大切さを認識させれられた出来事でした。
涙が出ます。
本当に人として素晴らしい!