天皇陛下”生前退位”のお考え 「現代にふさわしい皇室の在り方」を象徴したエピソードに日本中が涙した
2016年7月13日。
この日天皇陛下が「生前退位」のお考えを示されました。
あまりに衝撃的なこのニュースには列島が震撼しました。
天皇陛下の譲位は江戸時代を最後に行われておらず、およそ200年ぶりの出来事だそうです。
「平成」の世の中を象徴する天皇皇后両陛下。
お二人の人柄は本当に模範的であり、それでいながら国民の目線に沿ったお考えをお持ちでした。
お二人の在位期間中には多くの災害が発生しました。
九州地方を襲った大きな地震はまだ記憶に新しく、いまだにその余波が残っています。
そんな震災の時には必ず被災地を訪れて一人一人の目線に立って
お話をされていたそうです。
かつてない規模でまさに未曾有の災害と呼ばれた東日本大震災の時にも
そんな考え方を象徴するような心温まるエピソードがありました。
常々
「現代にふさわしい皇室の在り方を求めていきたい」
と仰っていたように、自分たちのことは第一に考えず周りの人間の事を優先していらっしゃいました。
両陛下は東日本大震災の被災地を訪れた際、
南三陸町の町長であった佐藤仁氏(60歳)に対して細やかなお心配りを見せてくださいました。
佐藤町長はいたく感動したそうでその時のことを以下のように語っています。
「私が先に体育館に入り、両陛下をお迎えしました。実は当時はまだ物が不足していて、スリッパも用意できたのは両陛下に履いていただく2足分だけで、私はスリッパを履いていませんでした。すると、それを見られた皇后陛下が、いったん履かれたスリッパを脱がれたのです。さらに天皇陛下までがスリッパを脱ごうとなさった。それで皆で慌ててお止め申し上げたのですが、他の誰も履いていないのに、自分たちだけ履くわけにいかない、というお心遣いだったのでしょう」
物資不足の状態の被災地に行って「立場」なんてものはない。
きっとそんなお考えのもとの行動だったのでしょう。
普段から心に沁みつかせておかねばとっさに行動として出るものではありません。
以前Hashでもご紹介した「ビニール傘に隠された秘密」のように、
そこには本当に御二人の優しさや、気遣いがちりばめられていました。
この発表がされたということは近いうちに「平成」の世の中は終わってしまうかもしれません。
しかし新しい世の中になっても天皇皇后両陛下のお考えは色褪せることはないでしょう。
御二人の温かさを存分に感じてこられた皇太子さまが受け継いでくださるはずです。
国民に寄り添って頂いた両陛下には本当に感謝と尊敬の念を最大限にお送りするばかりです。