昭和の大横綱「千代の富士」抗がん剤も拒み放射線治療を決断 ”相撲界の為に”その熱い志に医者も脱帽
日本の国技とも呼べる「相撲」。
その歴史は古く、長い間日本人の心を魅了し続けています。
最近では外国人力士の台頭や賭博問題で野球と共にその人気を落としてしまいました。
古き良き時代の相撲が偲ばれる事も増えてきました。
そんな古き良き時代の中心力士として名を馳せた「千代の富士」。
当時の強さは無類のもので、幕内優勝31回を誇り、
「ウルフ」の愛称で親しまれるなどまさに国民的なスーパースターでした。
その強さと高い人気で国民栄誉賞まで獲得した千代の富士。
引退してからは九重親方としても大活躍していました。
圧倒的な強さを誇っていた「ウルフ」にも勝てないものが一つだけありました。
それは多くの人を恐怖の底に陥れる「ガン」だったのです。
どんな強靭な力士をもなぎ倒してきたウルフも病気には勝てませんでした。
発覚したのは昨年の夏から秋にかけてで本人は
「7月下旬まで1か月ほど入院していた。『膵臓がん』が発見され、手術もした。早期発見ということで問題はないそうだ。治療は続けているけれど、もう健康体だから大丈夫」
というコメントが発表されました。
多くの人が心配していただけにこの九重親方の言葉にはほっとした人も多いはずです。
しかし本当に注目すべきなのはこの「膵臓がん」という単語でした。
実はこの膵臓がん、確認されているがんの中で最も危険ながんと言われているのでした。
膵臓がんの恐ろしさはその生存率とがんの再発確率にありました。
なんと膵臓がんの5年生存率は3から5%程度しかなく、
切除手術がうまくいってもその内の約70%の患者さんが再発してしまうのだそうです。
そんな重篤な病気を持っている人が、「もう健康体だから大丈夫」と言っても大丈夫なはずがないんです。
抗がん剤では満足な生活が出来ないことを医師に告げられた九重親方。
彼が考えに考え抜き頼ったセカンドオピニオンが、
あの樹木希林さんも通っていたUMSオンコロジークリニックだったんです。
そこでは放射線の治療をメインに据える「四次元ピンポイント照射療法」という療法が採用されていました。
抗がん剤を使用しない事にこだわったのは勿論家族に迷惑をかけたくないという想いもあった九重親方。
しかしそこにはもう一つの理由があったのでした。
「相撲界の未来の為に自分は後進を育てたい。」
そんな想いがあるそうで、少しでも長い間相撲界に直接自分の目で触れておきたいという熱い想いが伝わってきます。
昔は浴びるほど飲んでいたお酒も一切絶ち、
ガンが転移していることが発覚しても一切動揺を見せないそうです。
そのとてつもなく強い意志は「ウルフ」と呼ばれていた頃そのものの瞳で医師たちも驚きを隠せないそうです。
不祥事が続く相撲界。
昭和の大横綱の往年の横綱相撲でガンも「押し出し」て元気な姿を見せてほしいものです。