飼い主の結婚式を見届けたあとに安楽死させられることになった犬 その犬に起きた奇跡と安楽死の是非
チャーリーという犬は、飼い主の結婚式を見るまで実に15年という長い間生きてきました。
チャーリーとの出会い
飼い主のケリーさんがチャーリーと出会ったのは、チャーリーが生後間もない時でした。チャーリーは食料雑貨店の近くで捨てられていたそうです。保健所でバイトをしていたケリーさんはそうして保健所に連れられてきたチャーリーと出会います。その時ケリーさんは19歳でした。
ケリーさんはチャーリーを飼うことを決意します。チャーリーとケリーさんはそこからいつでも一緒に過ごしてきました。
ケリーさんはチャーリーの欲しいものならなんだってあげてきました。しかし、ケリーさんはチャーリーにひとつだけまだあげられていないものがあったのです。それは賑やかな家族です。
突然の病気
2010年にケリーさんはジェームズさんという獣医の男性と恋に落ちます。ケリーさんはジェームズさんとの結婚を意識するようになり、ようやくチャーリーと賑やかな家族で過ごせる。と思っていた矢先でした。
チャーリーが散歩中に倒れてしまい、慌てて動物病院に連れていくと脳腫瘍があると診断されてしまいます。そして病状は良くありませんでした。
結婚式の一週間前には5回も発作を起こしてしまい、とても苦しそうな状態でした。ケリーさんはそこで安楽死をさせることも考えました。しかし、そこで奇跡が起きました。それから結婚式の日までは発作も無くなり、すこぶる元気な状態になったのです。まるで違う犬になったようでした。
そうしてケリーさんとジェームズさんは結婚式の日を迎えます。その時の様子がコチラです。
チャーリーがケリーさんの元までしっかりと歩いてきたのです。そこでチャーリーはすべての力を使い果たしました。式が終わるとチャーリーは動けなくなってしまいます。そこで、ケリーさんの妹のケイティさんがチャーリーを抱きかかえて運んであげました。
式が終わった後に、ケリーさんは大粒の涙をこぼしながら「よく頑張ったね」と声をかけてあげます。
結婚式の日から一週間後にチャーリーは安楽死させられることになりました。家の中で家族に見守られる中、安らかに息を引き取ったそうです。
結婚式を見届けたあとはまた発作がひどくなってしまったのです。まるで結婚式を見届けるために力が与えられたようでした。
安楽死
日本では自分のペットを安楽死させるということはめったに行われませんが、欧米ではほとんどのペットが安楽死という形でその生涯を閉じます。ペットの寿命がそう長くないと判断された場合は、自分のペットを安楽死させるのです。欧米では自分のペットと少しでも長く一緒にいたいからといって、寿命がすぐそこに来ているペットを無理に延命させることは倫理的に良いことと思われないようです。
日本ではむしろ安楽死をさせるほうが倫理的に良くないとされるケースが多いかもしれません。みなさんはどう思うでしょうか。しかし、これは文化の違いなのでどちらが正しく、どちらが間違っているとはっきり言える問題ではないかもしれません。
しかし、こんなにも強い犬がいたということはすべての人の胸を打つことでしょう。チャーリーが安らかに眠ることを祈ります。