以下本社と横山さんのやり取りです。
「あなた(横山さん)のバイクがカナダで発見されました。修理してお送りしますよ」
このような内容の連絡がハーレーの本社から届いたそうです。
この真摯な対応に意外にも横山さんは次のように返答しました。
「非常に有り難い申し出ですが、お断りします。私の周りの人たちも、東日本大震災とその後の津波で多くの大切な物や人を失いました。私だけがそのような恩恵にあずかるわけにはいきません」
更に続けてこう伝えました。
「ミルウォーキーにあるハーレーダビッドソンの博物館で、津波の犠牲者に捧げていただければ幸いです」
この返答からは横山さんの人徳の高さが窺えます。
死を覚悟するほどの経験をした横山さん。
それに加えて大切な家族や時間とお金をつぎ込んでいた趣味まで失ってしまったのに
他の被害者や悲惨な状況を知らない人たちの為に自分の事を後回しにするその想いには
本当に多くの人が称賛と敬意の念を送りました。
横山さんの望み通り彼の「愛車」は博物館で展示されています。
しかもいまだに海水による腐食が進んでいるらしくそれは震災の悲惨さを
伝えるためにあえて処理せずにありのまま展示しているそうです。
この事を知って1人でも多くの人が震災の被害の正しい状況を
理解してもらえればと願います。