40年間で35人の捨て子を育てた女性。彼女の生き様が奇跡を起こします。
【捨てられてしまう子どもたち】
現代の日本においても捨て子は問題になっています。
望まない妊娠や子どもを育てることができない何らかの理由で両親に捨てられてしまう子どもは世界中で多く存在します。
また世界のあらゆるところで戸籍を持つことができない子どもたちがいます。
戸籍を持つことのできない子どもたちが歩む人生は辛く、厳しいものです。
そんな捨てられてしまった子どもたちのために活動している一人の女性の物語を今回ご紹介します。
【貧困の中、捨て子を育てる女性】
中国の浙江省の金華市に住む楼小英(ロウ・シャオイン)は多くの捨て子を育ててきました。
彼女はゴミ捨て場や道に捨てられているゴミを拾い、そのゴミをリサイクルすることで生計を立ててきました。
彼女は自身が貧困の中でも捨て子を育てる活動を続けてきました。
彼女は40年間を通して、35人もの捨て子を拾って育ててきました。
貧困の中、彼女はなぜ捨て子の子どもたちを育てようと思ったのでしょうか?
【1人の少女との出会い】
1972年、ロウさんはゴミ捨て場で一人の少女と出会います。彼女との出会いがロウさんの活動を始めるきっかけになりました。
その少女は道のゴミの中に捨てられており、埋もれていました。
もしロウさんが助けていなければその女の子は助かっていなかったでしょう。
その子を育てることがいつしかロウさんの生きがいになっていました。
ロウさんには実の娘が一人いますが、娘だけでなく拾った子もまるで自分の本当の子どものように愛情を注ぎました。
彼女は子どもを育てることが楽しくてしょうがなかったのです。
そんな中、ロウさんに悲しい出来事が起こります。
それは夫の死です。
夫の死により生活はより一層、苦しくなっていきました。
生活を支えるため、彼女は子どもたちが寝静まった後もゴミをお拾いに行かなければなりませんでした。
また、子どもたちは育ち盛りのためたくさんご飯を食べます。
そんな彼らがお腹いっぱいになるために自分は食べ物を口にしないこともしばしばありました。
そんなロウさんはその後、運命的な出会いを迎えます。
その出会いとはいったい・・?
【少年との出会い】
いつも通りゴミを拾っていたロウさん、そんな彼女の目に一人の少年が映りました。
今の自分の年齢では育てることができないと思いましたが、ロウさんを見つめる彼の瞳に心を打たれ自分の家に連れて帰りました。
その少年を麒麟とロウさんは名付けました。
麒麟とは中国に伝わる伝説の生き物。
中国では”大切なもの”という意味を持ちます。
麒麟くんも今では大きく成長しました、しかしロウさんは病気にかかり入院生活を送っています。
そんな彼女には最後の願いがあります。
【戸籍のない麒麟くんを学校へ】
ロウさんの最後の願いとは麒麟くんが学校へ通う事です。
彼女の子どものうち3人を学校に通わせることのできなかった後悔から、最後の子どもである麒麟くんには学校に行かせてあげたいと思っていました。
しかし、麒麟くんは戸籍を持たないためその願いは叶うことがありません。
そんな中、ロウさんの活動がニュースで取り上げられることになりました。
彼女の活動を知った多くの人が募金を募り彼女の治療費を援助してくれました。
また地元の公共機関が麒麟くんを小学校に入学させてあげられように戸籍について対処してくれることに。
その結果、彼は小学校に入学することが出来ました。彼女の夢は叶ったのです。
彼女の活動が行政を動かしたのです。
彼女の行動が人々を動かし、麒麟くんに勉強というかけがえのない財産を与えてくれました。
人は生まれながらにみんなが幸せとは限りません。
しかし、たとえ貧困の中でも自分の信念を貫き通すことで得られるものがあると彼女は教えてくれました。
自分の生活を顧みず、捨て子を育て続けた彼女の行動は多くの人に感動を届けました。